2018年1月から始まる「つみたてNISA」。
現行の「NISA」と「つみたてNISA」を比べてみると、「つみたてNISA」は投資未経験の超初心者のために考えられた超親切な制度であると言えます。
その理由は、投資初心者が負ける最大原因の「商品選び」や「投資期間」を徹底的に排除しているからです。
投資初心者が投資で負ける(失敗する)原因
投資初心者が投資で負ける(失敗する)のは何でしょうか?
だいたいこんな理由でしょうか。
- 営業マンの言いなりに、よくわからないまま商品を選ぶ
- 企業の業績や決算書を読まないまま安易に投資する
- 株を買うタイミングを間違っている(天井で買ってしまう)
- ちょっと下がったら怖くなって売ってしまう(狼狽売り)
- 「損したくない」と損切りできない
- 投資は短期間で増やすもの(1種のギャンブル)だと勘違いしている
投資初心者あるあるですよね。(笑
投資をやったことある人には失敗する理由は痛いほどわかるはずです。
でも、逆に言えば、この「投資の失敗原因」を排除すれば、投資に大きく負けることはなくなります。
「つみたてNISA」というのは、投資初心者が負ける(失敗する)原因を徹底的に排除した投資「超親切」制度なのです。
つみたてNISAが投資初心者におすすめな6つの理由
1.株は買えない
つみたてNISAは、株は買えません。
買えるのは「投資信託」だけ。
だから、買うタイミングをほとんど考えなくていいし、企業の業績を気にする必要もない、決算書を読む必要もないので、初心者が失敗する原因の多くを排除できます。
2.決められた枠内の投資信託しか買えない
誠に親切なことに、金融庁さんがつみたてNISAやる人は「この中から選んでね!」という商品を厳選してくれてます。
具体的には下記の2つの条件をクリアした投資信託のみです。
- 販売手数料が0円(ノーロード) で、信託報酬も低い商品
低コストの投資信託でなければいけない理由は、インデックス投資家はナゼ低コスト投資信託を追い求めるのか?3つの手数料が生む大きなお金でも紹介していますが、長期投資で失敗しない条件の1つです。 - 頻繁に分配金が支払われない商品
分配金が出るということは「価値を取り崩している」と言え、分配金を出さない投資信託は上記と同じく投資で失敗しない条件の1つです。
金融庁が商品選びに上記の2つの条件をつけたということは、「初心者が投資信託選びに失敗しない商品」だけにしたと言えるのです。
証券会社の営業マンから訳の分からない商品を勧めれることはないのです。(笑
3.87%が「インデックス型」投資信託
まだ暫定ですが発表されている商品のラインナップをみても、103銘柄中90銘柄と約87%が「インデックス型」投信で占められています。
投信種類 | 商品数 |
インデックス型 | 90 |
アクティブ型 | 13 |
ということは、ゼニー簿が日頃から初心者向けにお勧めしている「インデックス投資」の基本を踏まえた投資しかできないようになっている「危険の少ない投資の商品」とも言えるのです。
(※もちろん、アクティブ型を選べば、枠から外れてしまいますが・・・)
簡単なのに知られていないお金の増やし方(インデックス投資とは)
インデックス投資というのは、20~30年という長期投資では「株価は上がる」という前提の投資法ですので、株価が下がったからといって損切りする必要も、狼狽売りする必要もありません。
投資初心者が失敗する原因をつくらせない商品が、87%を占めているということです。
4.非課税期間が最長20年と長い
つみたてNISAでは投資期間が「最長20年」になっています。
これはインデック投資の基本である「長期投資」をできるようにしているということですよね。
5.買付けは「積立」である
つみたてNISAと名前にもなっているように、買付けは定期的に積み立てていく投資法です。
これなら、買うタイミングを考えなくてもいいし、一括で買ってないので急に株価が下がっても、初心者が不安になることはありません。
そして、「高いのに今買ってもいいのかな」と思い悩む必要もなくなります。(笑
初心者の投資不安要因を排除できる制度だと思います。
6.投資の上限額は「40万円」である
つみたてNISAでは年間の投資上限額が40万と決められています。
現行のNISAの1/3の金額です。
投資できる金額が少なければ、株価が大きく下がってもビビって狼狽売りするような損失もでませんよね。(笑
年間40万なら、投資額も月額上限で言うと3.3万円ほどなので「投資の入り口」に立った人が手を出しやすい金額です。
大きく儲かることはないが、大きく損することもない金額なのです。
つみたてNISAは「負けの少ない」投資の場
以上6つの理由から、つみたてNISAは「負けの少ない」投資の場であるといえます。
金融庁も投資人口を増やしたいのでしょう。
それには「投資=悪」みたいなイメージを払拭する必要があります。
つみたてNISAでは、「投資は怖い」と勘違いされる原因である「初心者が投資で負ける原因」を排除しています。
なので、特に投資のやったことがない人に、つみたてNISAを是非利用して欲しいと思います。
せっかく「失敗が少ない」投資の場ができたのですから利用して損はありません。
しかし、ある程度投資経験のある人にとっては、株も買えないし、投資金額も少ないのでかなり物足りない制度とも言えます。
そう感じるゼニー簿のような人は、現行NISAを利用せよ・・・ということでしょう。
自分の投資経験や投資金額で、「現行NISA」と「つみたてNISA」を選べばよろしいかと。
ただし、働いているならつみたてNISAよりも、個人型確定拠出年金iDecoを利用するほうがもっとお得ですよ。