
実家じまいの続きです。
実家の片付けが無事終了し、次は売却に向けて動き出しました。
需要のある都会の物件は別ですが、郊外や田舎ならどの不動産会社に任せるのか、これで大きく差が出ると思います。
本で不動産知識を入れる

不動産会社を選ぶためには自分にも最低限の不動産知識がないと選びようがありません。
それに、知識がないまま不動産会社に任せて、不動産屋のいいように利用されても困ります。
そのため、まず不動産売却についての本を数冊読みました。
同じ内容の部分は多いですが、その本にしか書かれてない部分もあったりするので最低でも2冊は読んだほうが良いと思います。
不動産会社を選ぶ基準を決める

本を読んで最低限の知識を得たうえで、私なりの不動産会社を選ぶ基準を決めました。
自分の基準を決めるうえでも前述で紹介したような本を最低2冊は読み込みましょう。
下記にでてくる専門用語(レインズ、媒介契約等)のことも本できちんと説明されています。
1.レインズに登録してくれる不動産会社

レインズとは不動産物件情報交換のためのネットワークシステムを指します。
簡単に言うと不動産仲介会社同士が物件情報を確認するシステムなので、これに登録すれば他の不動産会社からお客さんを紹介してもらえる確率が上がるわけです。
本を3冊読みましたが、専任媒介契約でもこのレインズに登録しない(登録して顧客に見せたあとで解除する)悪徳業者がいるようで注意が必要とのこと。
ただ、これを見抜くのは契約してからでないと難しいかもです。
面談時にはどの業者も当然「掲載します」としか言わないからです。
2.両手取引をしない不動産会社

両手取引とは、不動産業界用語の一つ。ある一つの不動産仲介会社が、売買取引において買主・売主の双方と取引の仲介契約を結ぶこと。
両手取引なら不動産会社は1度の売買で2つの手数料がもらえるので、両手取引をしようとする不動産会社が多いとのこと。
両手取引が必ずしも悪いわけではないけれど、レインズに登録しなかったりと他の不動産会社から買い主を紹介してもらえる機会を逃す確率が高くなったり、取引が成立しやすいように大幅な値引きを迫られたりと売り主にとってはデメリットが多い。
結果として両手取引になるのは構いませんが、初めから両手取引を前提としない不動産会社を探すことにしました。
ただ、これも1と同様に見抜くのは難しいです。面談時にはどの業者も当然「両手取引前提です」なんて口が避けても言わないからです。
3.専任媒介契約をしてくれる不動産会社

専任媒介契約とは
不動産の売却や賃貸において、依頼者(売主や貸主)が他の宅建業者に重複して依頼できない媒介契約です。2週間に1回以上、販売状況を報告する義務があります。
不動産を売ってくれる不動産屋を1社に絞るほうが不動産屋さんもやる気が出るだろうし、普通は「専任媒介契約」することを前提の不動産屋がほとんどです。
しかし、驚いたことにはじめから「一般媒介契約」を前提に話をしてきた不動産屋がありました。福屋不動産販売さんです。
中堅どころの不動産屋さんですが、担当者がよほと売る自信がないのか、とりあえず物件の数を揃えれば良いと言う方針なのかもしれませんね。
ということで「専任媒介契約」をしてくれない業者は候補から外しました。
4.掲載写真の重要性を理解している不動産会社

スーモという不動産情報サイトがあり、このサイトが不動産情報サイトの一番大手です。
実家がある地域の不動産を扱っている不動産屋をスーモですべてピックアップし、担当者名と掲載写真と掲載文章をチェックしました。
特にサイトで物件を探す時には「掲載写真」が重要です。
自分でネットショッピングをする時を想像してみてください。やはり同じ商品でも購入後のイメージを膨らませてくれるような写真を掲載しているほうが魅力的に見えるはずです。
スーモを見てもらえばわかりますが、下記のような写真を取っている業者はやめておいたほうが良いでしょう。
- 天気の悪い日に物件を撮影している
- 家の中に荷物がそのまま、家具がそのままで撮影
- 写真の枚数が少ない(外観のみで家の中の写真がない等)
- 写真自体がない(間取りイラストのみ)
- 写真がきれいに取れていない(アングルが下手くそ)
意外と家財道具をそのままにして家の中の写真を取っている不動産屋は多いです。
中古物件は特にですが、家財道具が残ったままの写真を見せられても購入後のイメージができないどころか、その写真のせいで生活感が漂って悪いイメージが湧いてしまします。
もちろん家財をそのままにしている売り主にも問題があるとは思いますが、そのデメリットを上手にアドバイスできない不動産屋さんに任せてもなかなか売れないと思います。
5.清潔感のある担当者の不動産会社

同じ不動産会社でも売る担当者によって大きく差が出るのが不動産屋だと思います。
大きな買い物になる不動産は担当者の清潔感はとても大事です。
特に家はお金を出すのは男性でも、キッチンや家の中の主導権はまだまだ女性であることが多いです。
女性(奥さん)が嫌悪感を持つような担当者では売れるものも売れません。
最低限の清潔感や誠実さが漂う担当者を選びましょう。
5社来てもらいましたが、1社は髪がボサボサでスーツもヨレヨレの営業マンいましたよ・・・。
複数の不動産会社と面談しよう

自分なりの選定基準を決めたら、複数の不動産屋と面談してみましょう。
会社よりも担当者の実力や人柄で大きな差が出ます。
名のしれた大手だからといって安心なわけではありません。
私は大手、中堅、小規模と5社と面談を行いました。
どの不動産屋も同じことを説明するので面倒くさいんですけどね(苦笑
どの不動産も基本的に言うことは同じ

5社と面談を行いましたが、どの不動産屋も基本的に言うことは同じです。
だいたい下記のような説明を受けることになるでしょう
- 不動産の査定金額
- 媒介契約の内容について(レインズの登録等)
- 掲載サイトについて
1はどの不動産屋も同じ金額で「◯◯万円から◯◯万円の間」と言ってくるでしょう。
この金額は路線価で計算したりスーモで周辺地区の売出し物件を見れば、自分でも推定は可能です。
しかし、この金額が飛び抜けて高かったり、低かったりしたらその不動産屋は怪しいのでやめておきましょう。(5社全部ほぼ同額の査定でした)
2については専任媒介契約の契約内容についての説明で、これもどの不動産屋も同じ説明になるはずです。
3については多少差が出ます。スーモ以外に「アットホームに掲載します」や「自社サイト」に掲載しますといった感じです。
掲載写真へのこだわりで選びました
5社と面談して分かったことは、大手不動産会社は持ってくる資料がお金をかけていて見栄えが良いことぐらいでしょうか。w
面談のお土産に粗品のタオルなんかもくれましたし。
ただ、大手不動産屋だからといって特別な戦略があるわけではありません。
だからこそ、「掲載写真にこだわっています」と言ってくれた不動産屋を選びました。
その業者は小さな不動産屋でしたが、写真をよく見せるために玄関周りを高圧洗浄機で掃除したり、晴天の日を選んで写真を取っていたりと写真撮影のこだわりを説明してくれました。
実際にその不動産屋が担当している不動産の写真はキレイに撮れていました。
私の選定基準とも合致したこともあり、この撮影にこだわるといってくれた不動産屋と媒介契約を結びました。
媒介契約は3ヶ月更新なので変更するのもあり!

私の選定基準を紹介しましたが、下記の2つについては契約前に見抜くのは正直むずかしいかもしれません。
1.レインズに登録してくれる不動産会社
2.両手取引をしない不動産会社
ただ、契約後にはわかります。
1についてはレインズからの問合せの不動産会社があれば、問合せてきた不動産屋にどうやって物件を見せるのかで分かるからです。
賃貸の内覧に行ったことがある人だとイメージしやすいと思いますが、不動産屋がお客さんと自由に中を見ることが出来るように玄関ドア周辺に隠している鍵で部屋を開けているところみたことありませんか?
やはりうちの実家でも、レインズからの見に来る不動産屋さんのために鍵が入るダイヤル式のキーボックスを設置していました。
こういったことをしていなければ、そもそも他の不動産屋に自由に来てもらって見せる気がない(レインズ登録していない。または解消している)と判断することができるからです。
そして、他の不動産屋が見ることが出来るようにしている状態ということは「2の両手取引が前提ではない」と判断できます。
もし、媒介契約後にこういった工夫がされていなかったり、レインズからの問合せの報告が1件もないようなら、その不動産会社は少し疑うべきだと思います。
専任媒介契約は最長で3ヶ月です。
悪質だとわかれば3ヶ月で契約を打ち切り、他の不動産屋を探しましょう。
仕切り直せばいいだけの話です。
不動産を売る経験なんて一生に一度あるか、ないか。
分からないことだらけで不安に思うかもしれませんが、大手の不動産屋だから安心というわけではありません。
私的には他の条件が同じなら、ぜひ掲載写真や掲載文にこだわりを感じる不動産屋を選んだほうが良いと思います。
あくまで素人の体験と考え方になりますが、実家の売却の参考になればと思います。
おまけ 大手不動産は早めておいたほうがいいかも
ツイッターで下記のようなツイートを目にしました。
大手不動産はCMもしており、よく耳にする名前で安心感はありますが、両手取引を前提としているのが現実のようです。
ゼニー簿も◯井のリハウスと面談しましたが、営業さん一人で50社以上の担当という点、内覧を自由にさせない点(営業マンがかならず行くらしい。でも、50社以上の担当で可能とは思えない)を考えても、両手取引が前提の感じを受けました。