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父に成年後見人をつけました(ギャンブル依存症の父の話②)

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ギャンブル依存症で縁を切っていた父が倒れました。

父と関わりたくはないけれど、他人に迷惑をかけるわけにもいかない。

わたしたちは成年後見制度を利用することにしました。

ギャンブル依存症の父親が倒れた

ギャンブル依存症の父親と縁を切った話の続きです。

縁を切っていた父親が馬券売り場(苦笑)にて倒れたと病院から連絡がありました。

原因は脳梗塞。

縁を切るときに二度と関わらないと決めていたのですが、他人様(病院)に迷惑をかけるわけにもいかず病院へ駆けつけました。

医師から病名と手術成功の説明があり、普通ならここで「先生!ありがとうございます!!」となるはずなんですが・・・(苦笑

わたしたちの場合は真逆になりました。

「倒れた場所は馬券売り場と聞いています。本来なら先生に感謝を申し上げるところなのですが・・・ギャンブル依存症で縁を切っておりまして・・・。申し訳ないのですが、今後なにかありましても延命措置はやめていただければと思います。」

命を救うのがお仕事のお医者様には申し訳なかったです。

先生も苦笑いしていました。

世の中、仲の良い家族ばかりではない

その後、看護婦さんや事務担当者にも「縁を切っているので関わるつもりはありません。ただ、ご迷惑をおかけするわけにもいきませんので最低限の事務的な関わりはするつもりです。」と伝えました。

そこそこ大きな病院ということもあり、このようなことは特別珍しいことではないので問題はありませんとのことでした。

縁を切っている方は「連絡をしてくるな」と言う人も多いようで、病院には「まだ連絡とれるだけありがたいです」と言われました(苦笑

とりあえず病院からは下記のお願い(申し出?)がありました。

  1. 財布に入っている現金は保証金として預かること(馬券を買うために結構財布に入っていた)
  2. 入院生活に必要なものパジャマ、下着、歯ブラシ、ひげ剃り等を準備してほしいこと
  3. 保険証が見つかり次第持参してほしいこと

2のパジャマや下着は持っていけば洗濯など回収しにいかねばならないため、病院で1日500円のレンタル契約を結びました。

本人に支払ってもらいたいところですが、父親の経済状態や銀行口座の暗証番号が分からないためわたしたちが立て替え払いすることで一旦手を打つことにしました。

そして、ここからが大変でした!!

関わらないために父に成年後見人をつけた

先生からの説明では後遺症で失語症、半身不随などの症状がでるということで自宅で一人で暮らすのは無理なので施設に入ることになるだろうとのことでした。

そうなると病院の支払いはもちろんですが、施設の契約や支払い等の問題も出てきます。

母から預かっていた通帳が1冊と土地付きの一軒家があるので、しばらくはその資産で賄っていく必要があります。

ただ、これらの資産はすべて父親名義。

資産はあるけど本人が銀行でお金をおろすこともできないし、家を売ることもできないっ!!

父親も今までの経緯から素直にわたしたちの言う事を聞いてくれないことは目に見えています。

かといってこれから何年生きるか分からない縁を切った父親のためにずっとお金を立て替えていくのは無理があります。

それになるだけ関わりを持ちたくありません。

色々と調べて妹と相談の結果、第三者に成年後見人になってもらうことにしました。

成年後見人の役割とは
・被後見人の財産(不動産や預貯金など)を管理する
・被後見人の希望や身体の状態、生活の様子などを考慮して、必要な福祉サービスや医療が受けられるよう、利用契約の締結や医療費の支払などを行う
・被後見人の契約やサービスなどの締結・取り消しを行う

第三者を成年後見人に

成年後見人は、家庭裁判所が本人のために最も適任と思われる人を選任します。

家族(親族)が選ばれる場合もありますが、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職の人が選ばれることが多いようです。

わたしたちははじめから第三者の専門職の成年後見人を希望する形で成年後見を申し立てしました。

そうすれば、わたしたちが父親に直接関わらずに済むけれど、他人にも迷惑をかけずに父本人の資産内で生活できるようになるからです。

もちろん、第三者が成年後見人になると報酬を支払うことになりますが、支払うのは父本人ですし、パチンコにお金を垂れ流すよりよっぽど有意義な使い方だと思いますしね。

成年後見の申立は難しくない

成年後見の申立自体はそんなに難しいことではありません。

弁護士や司法書士に依頼することもできますが10~25万程度支払う必要があり、どう考えてもバカらしいです。

日本語を理解できるなら「書き方がわからない」なんてことはないので自分で申請することをおすすめします。

ただ、大変なのは申請書類に記入する内容を把握すること、依頼することです。

病院や福祉関係者に本人の状態を記入してもらう書類(病院はバカ高いお金を取る)、戸籍謄本など役所や法務局に取りに行く書類などが面倒くさいです。

そして、強烈に面倒くさいのは本人の資産状況や生活の収支状況を把握して記入することです。

これらを把握しているような仲の良い家族なら簡単なのかもしれません。

しかし、わたしたちのような縁を切っている家族の場合、他人の家の経済状態を把握するようなものです。

相当骨が折れます。

通帳、保険証書などを探し出し、定期購入やサブスク契約しているものを把握して生活の収支を洗い出す必要があります。(要らない契約は解約する必要もありますしね)

年寄りともなると騙されて見てもないWOWOWに加入していたりするんですよね・・・・。

新聞やヤクルトもどこの販売店で契約しているのか探すのも一苦労ですし。

とにかく経済状態を把握するのが大変でした。

病院に迷惑がかからないようにと最速で動いたつもりですが、家庭裁判所に申請する書類を揃えるまで約1ヶ月かかりました。

無職のゼニー簿でも1ヶ月ですから、仕事をしながらだともっと大変だったと思います。

そして、申請から2ヶ月・・・やっと成年後見人が決まってホッとしたのもつかの間、父が逝ってしましました。

つづく



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