
「シニアになれば、子育ても終わるし住宅ローンもなくなる。
生活費は現役時代よりグンと減るから、そんなにお金は必要ない」
家計管理のデータや専門家のコラムでよく目にする言葉です。
確かに、最低限生きていくためのコストは下がるかもしれません。
しかし、実際にFIRE(経済的自立)を達成し、自由な時間を謳歌している50代の今、私は全く別の結論に達しています。
それは、「老化による不自由や億劫さをショートカットするには、やはりお金がかかる」という、抗えない現実です。
「元気な50代」でも避けて通れない、身体の曲がり角
私は、同世代の中でも比較的元気なほうだと自負しています。
毎日テニスやヨガを楽しみ、アクティブに動いているつもりです。
それでも、50代に入ってから「かつては何でもなかったこと」が、地味に、しかし着実に負担になってきました。
- 白髪が増え、鏡を見るたびにケアの必要性を感じる
- 夜更かしをすると、翌日のダメージが抜けきらない
- 地味にショックなのが、ペットボトルの蓋がなかなか開かないことが増えた
これらは単なる体力の衰えではありません。
日常のあらゆる動作に対する「億劫さ」に繋がります。
掃除も今は毎日こなしていますが、いずれ週に数回に減らしていく未来が透けて見えます。
料理も、いかに手抜きをするか、何年も前から試行錯誤の連続です。
若い頃は「気合」や「工夫」で乗り越えられた家事や雑務が、年齢とともに、自分を削る「苦行」へと変わっていくのです。
ビジネスクラスで知った「苦痛をスキップする」本当の意味
ゼニー簿の趣味は旅行です。
20代の頃は格安のヨーロッパ経由便で20時間以上の移動も平気でした。
30〜40代でも子連れで海外を飛び回り、安さを優先して経由便でアジアを巡るのは当たり前でした。
しかし、50代の今はどうでしょう。
あの狭いエコノミー席で長時間、不自然な姿勢を強いられるのは、リフレッシュではなく「体の酷使」でしかありません。
実は昨年、自費で初めてビジネスクラスに乗ってウズベキスタンまで行ってきました。
結果は、感動の一言でした。
フルフラットのシートで横になり、苦痛を感じることなく寝ている間に現地に到着。
かつてはあんなに苦痛だった「移動時間」が、快適な睡眠時間に変わったのです。
「安さ」よりも「体の負担の少なさ」を選ぶ。
これは贅沢ではなく、旅を心から楽しむための「必要経費」なのだと痛感した出来事でした。
インデックス投資は、未来の自分を助ける「セルフ介護費用」
こうした「老化による苦痛や億劫さ」を我慢したくなければ、お金で解決するしかありません。
- 料理を作りたくなければ外食やデリを利用する
- 掃除が負担なら、高性能な掃除ロボットを買うか、プロに外注する
- 移動の疲れを避けるために、迷わず直行便や上のクラスを選ぶ
歳をとって自分にできなくなったことを他人にやってもらう。
あるいは、より良い条件を手に入れるために高いお金を払う。
こうした選択を支えてくれているのが、私が長年続けてきたインデックス投資です。
インデックス投資の最大のメリットは、市場平均に連動する合理性だけでなく、「管理の手間が一切かからないこと」にあります。
老化は判断力や集中力も少しずつ削っていきます。
複雑な銘柄分析に追われることなく、世界経済の成長に資産を置いておくだけで、私が寝ている間も、旅をしている間も、資産が私の代わりに「将来の不自由を解決するための資金」を稼ぎ続けてくれる。
私にとってインデックス投資は、将来の自分を助けるための「セルフ介護費用」のようなものなのです。
「我慢しない自由」こそが、真のFIRE
「老後は生活費が下がるから、そんなに貯めなくていい」という説は、ある意味で正しいかもしれません。
でもそれは、「不自由をすべて受け入れ、我慢し続ける」という前提の上での話です。
FIREして手に入れたのは、単に「働かない時間」ではありません。
「年齢とともに増える不自由を、お金というツールを使ってスキップできる権利」でした。
ペットボトルの蓋が開かないもどかしさを感じたとき、私は改めて思います。
インデックス投資で資産の土台を築いておいて、本当によかった。
この先、さらに不自由が増えていく自分を、今の資産が守ってくれるはずだと信じられるからです。
大きな資産は要らないけど、老後もアクティブに過ごすならやっぱりある程度の資産は必要・・・と50代のゼニー簿は感じていますが、もっと歳を取った時に答え合わせしたいですね。