
2020年から大学の無償化制度が始まっており、以前記事にしました。
令和7年(2025年)から多子世帯(3人以上の子ども)へ対象が広がったほか、資産要件も5000万以下に緩和されたようなので紹介します。
大学無償化の新制度(高等教育の修学支援新制度)とは

2020年度から高等教育の修学支援新制度により、子供たちの進学を支援するため、授業料・入学金の減免と、給付型奨学金が整備されました。
この制度による具体的な支援は下記2つです。
- 大学等の高等教育機関の入学金と授業料の減免(無償化)
- 返還義務のない給付型奨学金
この新制度のすごいところは、大学の授業料減免だけではないということです。
返金義務のない給付型の奨学金も支給になるんです。
返す必要がないのですから、子どもに借金を背負わせるということもありません。
経済的に苦しいシングルマザー家庭の強い味方になる制度です。
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)の対象は?

とはいえ、全家庭が対象になるわけではありません。
2025年から要件が拡充されて下記の世帯が対象になっています。
- 所得が少ない(住民税額が少ない)世帯
- こどもが3人以上いる多子世帯
- 私立医工農系の大学に通う子どもの世帯
2024年度までは所得の少ない世帯のみとなっていましたが、今年から子どもが3人以上いる多子世帯、理系に進んだ子どもがいる世帯も対象となりました。
収入の低いシングルマザー世帯だけでなく、経済的に困窮しているわけではない世帯でも子どもが多かったり、理系の大学に進めば対象になるわけです。
※世帯収入になるので、子供自身に収入があるなら子供の収入も含みます。
具体的な金額は下記のようになります。

今までは年収が低い世帯の第Ⅲ区分までが対象でしたが、第Ⅳ区分が増設されていますね。
多子世帯とは?第一子が就職すれば終了

多子世帯といっても一番下の子まで全員が対象になるわけではないようです。
3人共が学生の間は対象になりますが、一人でも就職して大学生(または院生)ではなくなると対象ではなくなります。
年が離れた兄弟は不利になりますね・・・。とにかく第一子の大学時代は対象になるでしょう。
大学の授業料はいくら減免になるの?
大学の授業料の減免は、住民税額によって決まります。
非課税世帯(年収が低い)ほど減免額が最大になり、年収が上がるにつれて減免の額も減っていきます。
また、国公立大学か私立大学化によって金額も差があります。
下記は減免額が最大の非課税世帯(第Ⅰ区分)が受けられる減免の上限額です。

非課税世帯より年収が多い第Ⅱ区分は上記の2/3の減免、第Ⅲ区分は1/3の減免を受けられるようになります。
多子世帯&理系大学生世帯については、上記の1/4の減免額です。
給付型奨学金はいくらもらえるの?
返還義務のない給付型奨学金の金額も、授業料減免と同じで住民税額で決まります。
下記は最大金額がもらえる非課税世帯の場合です。

非課税世帯より年収が多い第Ⅱ区分は上記の2/3の減免、第Ⅲ区分は1/3の金額をもらえます。
多子世帯&理系大学生世帯については、上記の1/4の金額です。
これは授業料と同じ割引率ですね。
自宅外私立大通学で最大月額7.5万円

上記は年額なので、地方出身者が自宅外通学で私立大学に進んだ場合は月7.5万円がもらえるわけです。
もちろん7.5万円で生活できるわけではありませんが、返還義務がない7.5万円が毎月もらえるのはかなり助かるはずです。
大学生にかかるお金は、授業料だけではありません。
教科書は専門的になるので高額になりますし、通学にかかる定期代も高額です。
実家を出て一人暮らしするなら、さらに生活費の経済的負担は大きくなります。
大学生になればバイトもできるようになるので、生活費は子供本人がバイトすればいいと考えるかもしれません。
しかし、大学で働いていた経験で言わせてもらうと、バイトで体力を消耗させてしまい学業が疎かになってしまう子もいます。
逆にバイトが楽しすぎて、学校に来なくなる(やめてしまう)子もいます。(苦笑
自分の小遣いを稼ぐ程度のバイトなら、社会経験のためにもやらせるのは賛成です。(いや、やらせるべきでしょう。)
ただ、生活費を支えるようなバイト量をこなしながらの学業との両立はなかなか厳しい。
高校を出た程度の社会経験も生活力もない子供がバイトと大学を両立させるのは、1人で子育て、家事、仕事をするシングルマザーのようなしんどさでしょう。
今の新制度で授業料だけではなく、生活費を補助してくれる給付型の奨学金は、経済力のない親を持った子供には本当にいい制度だと思います。
成績で足切りがあります!しっかり勉強を

今回の大学無償化の給付型奨学金は、子供の成績が悪いと申し込んでも対象外になります。
貴重な税金を当ててもらうのですから、当然だと思います。
大学1年生時は高校の成績評定3.5以上
大学1年(入学時)は高校の時の成績で足切りされます。
高校の成績評定3.5以上の成績をとる努力をしておきましょう
大学2年生以上は上位1/3以内
大学2年生以上は全額年次の成績が上位1/3以内に入っている必要があります。
大学生だからといって単位だけ取っていればいいという話ではなく、ちゃんと勉学にも励みましょう。
支援打ち切りあり
支援対象になったからといって安心してはいけません。成績によっては支援打ち切りもあります。
下記に該当すれば支援打ち切りになります。
- 修得単位数が6割以下
- 出席率が6割以下
祝!資産要件が5000万以下に緩和

言い忘れていましたが、所得が少なくて要件に当てはまっていても資産額が多ければ対象外となります。
ゼニー簿みたいな世帯ですね。
ゼニー簿は現在FIREしており所得はほぼなく非課税世帯ですが、資産額が多いので対象になりません。
ただ、以前は生計維持者が二人の場合で2000万未満という資産の条件でしたが、2025年から多子世帯が拡充されたことで資産要件も緩和されました。
資産額が5000万以下が対象になります。
残念ながら、ゼニー簿は5000万に増えようがまだ対象外でした。w
しかし、資産の条件が大幅にアップされたのでこのブログを見ているシングルマザーの方で当てはまる方も結構いるのでは?と思いこの記事を更新することを決めました。
今まで資産条件で諦めていた方ももう一度確認してください。
シングルマザーが大学無償化対象になるためにできることは、「節税」

大学無償化の恩恵が受けられるかどうかの判断基準は、今回も「住民税額」です。
今回「も」というのは、いろいろな減免制度や各種手当は、ほぼ「住民税額」によって決まってるんです。
例えば、児童扶養手当や就学援助など。
低所得サラリーマンこそ節税せよ!住民税を下げて得する7つのこと
住民税額が低くなるように「節税」することで、手取りを増やすことが可能!
特にシングルマザーは、働く時間に制約があったりと元々収入が少ないことが多いですよね。
そんなシングルマザーは、更に節税を頑張れば、いろんな有利な制度の恩恵を受けられるんです。
今回紹介した大学無償化の新制度も、その1つです。
収入を増やすことは難しいのが現実ですが、節税なら自分の努力次第です。
iDecoや保険料控除など、できる範囲の節税には必ず取り組みましょう!
シングルマザーの資産アップ術!お金が簡単に増える節税方法
浮いたお金は自分の老後資金に回して、子どもの将来に負担にならないように準備しましょう。
※住民税額は前年の収入で計算されます。節税の結果がでるのは1年後ということ!早めに取り組みましょう。
申込締切に注意
大学1年時から減免と奨学金の対象になるには高校3年生での申請が必要です。
学校によって締切が違いますので学校に確認するようにしてください。
また、大学2年時から対象になるには同じく前年に申請が必要です。
締切日が学校によって違うのはもちろんですが、大学生になれば先生のフォローはありません。掲示板等で学生本人が情報を見て自分で学生課に申請する必要があります。
いくら対象になっていても申請の締切日までにきちんと書類を揃えて申請しなければ減免や奨学金はもらえません。
子ども本人にきちんと確認するように口を酸っぱくしていっておきましょう。
また、ブログでは抜粋して紹介しています。詳しい給付型奨学金について知りたい方は、日本学生支援機構 または 文科省のHPで確認してください。