2020年から大学の無償化が始まります。(高等教育の修学支援新制度)
この制度がすごいのは授業料の減免だけではなく、子供(学生)の生活費を補助する給付型の奨学金もあるということ。
収入が少ない母子家庭でも、親だけではなく子供にも経済的な負担が少なく大学に行くことが可能に!
大学無償化の対象になるために母子家庭ができることは、「節税」です。
大学無償化の新制度(高等教育の修学支援新制度)とは
2020年度から高等教育の修学支援新制度により、子供たちの進学を支援するため、授業料・入学金の減免と、給付型奨学金が大幅拡充されます。
この制度による具体的な支援は下記の2つです。
- 大学等の高等教育機関の授業料の減免(無償化)
- 返還義務のない給付型奨学金
この新制度のすごいところは、大学の授業料減免だけではないということです。
返金義務のない給付型の奨学金も支給になるんです。
すごいでしょ?
返す必要がないんですよ。
経済的に苦しい母子家庭の子供が奨学金という借金を背負わずとも、大学に進学にできるようになるということです。
世間的には批判はたくさんありますし、ゼニー簿も思うところはありますが、利用できる制度はどんどん利用しましょう!
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)の対象は?
とはいえ、全家庭が対象になるわけではありません。
払っている住民税の金額で制限を受けることになります。
住民税は所得額によって課税されるので、ハッキリ言ってしまえば「収入の低い世帯」の子供が対象になるというわけです。
※世帯収入になるので、子供自身に収入があるなら子供の収入も含みます。
住民税額の具体的な金額は下記のようになります。
支援対象者 | 年収の目安 (両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合) | 支援額 |
---|---|---|
住民税非課税世帯の学生 | ~約270万円 | 満額 |
住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生 | ~約300万円 | 満額の2/3 |
~約380万円 | 満額の1/3 |
母子家庭では、寡婦控除など一般家庭より税金が優遇されるので、iDeco等の節税を頑張れば対象になれる確率も上がるはず。
(シングルマザーの資産アップ術!お金が簡単に増える節税方法)
収入が少ないことが、武器になるんですよ。
資産がある場合は対象外に!(残念)
学生等及びその生計維持者の保有する資産の合計額が、以下の基準額に該当しなければ、対象外に!!
- 生計維持者が2人の場合 2,000万円未満
- 生計維持者が1人の場合 1,250万円未満
母子家庭の場合だと、生計維持者が1人なので 1,250万円未満の資産額の人が対象です。
残念ながら、ゼニー簿は7000万の資産があるので対象外でした。(涙
ただ、※ 対象となる資産の範囲 は、 現金及びこれに準ずるもの、預貯金並びに有価証券の合計額(不動産は対象としない)となっています。
最終手段は、資産を不動産に振り分けるという方法もありますね。(やらないけど。笑
給付型奨学金がもらえるか確認しよう!
JASSOのサイトで、給付型奨学金がもらえる世帯かどうかを確認できます。
「進学資金シュミレーター」→→「奨学金洗濯シュミレーション」→→「給付奨学金シュミレーション」で確認しましょう。
※世帯の具体的な年収金額の入力が必要になります。
大学の授業料はいくら減免になるの?
大学の授業料の減免は、住民税額によって決まります。
具体的な金額は下記の表のようになります。(昼間制での非課税世帯の減免額)
国公立 | 私立 | |||
入学金 | 授業料 | 入学金 | 授業料 | |
大学 | 約28万円 | 約54万円 | 約26万円 | 約70万円 |
短期大学 | 約17万円 | 約39万円 | 約25万円 | 約62万円 |
高等専門学校 | 約8万円 | 約23万円 | 約13万円 | 約70万円 |
専門学校 | 約7万円 | 約17万円 | 約16万円 | 約59万円 |
住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の2/3又は1/3の支援額となりますので、払っている住民税が少ないほうが多くの支援を受けられるということですね。
給付型奨学金はいくらもらえるの?
返還義務のない給付型奨学金の金額も、授業料減免と同じで住民税額で決まります。
具体的な金額は下記の表のとおりです。(昼間制・夜間制での非課税世帯の減免額)
国公立 | 私立 | |||
自宅生 | 自宅外 | 自宅生 | 自宅外 | |
大学 | 約3万円 | 約7万円 | 約4万円 | 約8万円 |
短期大学 | ||||
専門学校 | ||||
高等専門学校 | 約2万円 | 約3万円 | 約3万円 | 約4万円 |
※住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の2/3又は1/3の支援額となります
地方出身者ですと、実家を出て一人暮らしをしながら大学に通う学生が多いですよね。
当然、そうなると仕送り等で、親の負担も大きくなります。
今回の給付型奨学金は、その点も考慮されて一人暮らしをしながら大学に通う「自学外生」の給付金額が多くなっています。
国公立大学で7万、私立大学生で8万円ですから、親と学生自身の負担はかなり楽になりますよね。
生活費を補助してくれる給付型奨学金は、学生の味方
大学生にかかるお金は、授業料だけではありません。
教科書は専門的になるので高額になりますし、通学にかかる定期代も高額です。
実家を出て一人暮らしするなら、さらに生活費の経済的負担は大きくなります。
大学生になればバイトもできるようになるので、生活費は子供本人がバイトすればいいと考えるかもしれません。
しかし、大学で働いていた経験で言わせてもらうと、バイトで体力を消耗させてしまい学業が疎かになってしまう子もいます。
逆にバイトが楽しすぎて、学校に来なくなる(やめてしまう)子もいます。(苦笑
自分の小遣いを稼ぐ程度のバイトなら、社会経験のためにもやらせるのは賛成です。(いや、やらせるべきでしょう。)
ただ、生活費を支えるようなバイト量をこなしながらの学業との両立はなかなか厳しい。
高校を出た程度の社会経験も生活力もない子供がバイトと大学を両立させるのは、1人で子育て、家事、仕事をするシングルマザーのようなしんどさでしょう。
今の新制度で授業料だけではなく、生活費を補助してくれる給付型の奨学金は、経済力のない親を持った子供には本当にいい制度だと思います。
注意:大学無償化の申込みは夏までに!
大学無料化の「高等教育の修学支援新制度」を受けるためには、高校3年生の7月までに申し込みが必要。
必要書類は、通っている高校からもらうことができます。
詳しくは、文部科学省の「高等教育の修学支援新制度のサイト」で確認を。
成績で足切りがあります!しっかり勉強を
今回の大学無償化の給付型奨学金は、収入と資産額が少ないと対象になっていますが、それだけではありません。
子供の成績が悪いと申し込んでも、対象外になります。
貴重な税金を当ててもらうのですから、当然だと思います。
高校の成績評定が3.5以上という条件があるようです。
大学無償化の給付金に申し込む予定なら、子供には日頃からしっかりと勉強させてくださいね!!
※すでに大学生の場合は、GPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1の範囲に属し、修得した単位数が標準単位数以上が条件です。
また、大学で成績が悪かったり、単位数が少なかったり、留年したりすると途中で廃止されますので、大学に行ってもしっかり勉強させてください。
母子家庭が大学無償化対象になるためにできることは、「節税」
大学無償化の恩恵が受けられるかどうかの判断基準は、今回も「住民税額」になりました。
今回「も」というのは、いろいろな減免制度や各種手当は、ほぼ「住民税額」によって決まってるんです。
例えば、児童扶養手当や就学援助など。
低所得サラリーマンこそ節税せよ!住民税を下げて得する7つのこと
住民税額が低くなるように「節税」することで、手取りを増やすことが可能!
特に母子家庭は、働く時間に制約があったりと元々収入が少ないことが多いですよね。
そんな母子家庭は、更に節税を頑張れば、いろんな有利な制度の恩恵を受けられるんです。
今回の大学無償化の新制度も、その1つです。
収入を増やすことは難しいのが現実ですが、節税なら自分の努力次第です。
iDecoや保険料控除など、できる範囲の節税には必ず取り組みましょう!
親自身の負担も軽減されますし、何より子供の負担が減りますよ。
※住民税額は前年の収入で計算されます。節税の結果がでるのは1年後ということ!早めに取り組みましょう。