ゼニー簿の母は、
訳の分からない癌の民間療法に一千万ちかくを支払っていたり(死後に発覚)と
あまり誇れるものとは言い難い最後でしたが、
お墓を買わずに「お寺への共同納骨」を選んでくれたことには
子供として本当に感謝しています。
今回はお墓ではなく、共同納骨のメリットをご紹介します。
お墓を維持する側の事情も考えて、お墓選びをしてほしいと切に願います。
元は墓を買おうと色々探していた
ゼニー簿の親はどちらも長男長女ではないため
代々のお墓というものはなく、
母親は家の近くで墓地の資料を取り寄せては、
長らく検討していました。
田舎で生まれ育ったこともあり、
当然のように「死んだらお墓に入るもの」という規定概念があったのかもしれません。
子供側としてはお墓を買われると
維持管理費を毎年支払っていかなくてはならなくなるので
反対だったのですが「お墓なんて要らない」というと
「親不孝」だのなんだのとヒステリーを起こされることは
母の性格上想像できたので黙っていました。
でも、そもそもお墓というのは、親が「ここに入りたい」という
意思で決めるものの、その管理をするのは本人ではなく、
その子孫というところに問題があります。
子供の立場から言わせてもらうと、お墓を立てられるとデメリットが大きいのです。
子供の立場から親が墓を立てる4つのデメリット
お墓参りに行くのが大変(不便な場所に墓地がある)
田舎の家のように家の裏が墓地・・・なんて近さではありません。
殆どの墓地は、車がないと行けないような辺鄙な場所に
墓地霊園が立てられています。
車がないなら、ますますお墓参りの頻度は遠のきますし、
精神的にかなり負担が大きいです。
結婚、転勤・・・子供の住む場所は変わっていく
実家の近くに墓地を買っても、
子どもは結婚、転勤でその土地を離れていくものです。
違う土地に暮らす子供にとって、生きている両親に会いには行っても
両親が死んで、わざわざ墓参りのために帰省しようとは思いません。
祖母が生きていたときでさえ、
母が祖母に会いに行くのは1年に1度あるかないかで
ゼニー簿のほうが祖母に会う回数が多かったぐらいです。
そして、祖母が死んでから母がお墓に行ったのは
数年に1度ぐらいでしょうか。
遠く離れた土地で暮らしていれば、実際はそんなものですよね。
親の墓は誰が守っていくのか
親が勝手に立てた墓に自分も入りたいか?
自分の子供にも管理させるのか?
答えはNOです。
特に女性の場合は、結婚すれば相手の家のお墓に入る必要があるかもしれないし、
自分がもった不満の根源をそのまま自分の子供へ残そうとは思いませんよね。
自分が死んだから親の墓は誰が守っていくのかという問題が出てきます。
お墓の維持管理が大変(お金がかかる)
お墓の維持管理は結構手間とお金がかかります。
手入れしないと雑草が生えてきたり、
お供えのお花も腐ってしまいます。
きちんとその辺の管理が行き届いている管理人がいるような
墓地は当然ですが、維持管理費が高くなります。
そんなことも考えてもらわないと、
景色や値段だけで決められては、子供への負担が大きすぎます。
どこにお墓を立てるかで、維持費も違う!
墓地にも、公営墓地、民営墓地、寺院墓地と様々なタイプがあり
お墓を立てる金額と維持費も様々なようです。
大阪北部で一例として表にしてみました。(いずれも最低価格の区画)
タイプ | 墓地 | 使用料 | 管理料 | 法事法要 | 備考 |
公営 | 設服部霊園 | 80万 | 50,000円 | 自分で手配 | 使用料、管理費は20年分 |
民営 | 京阪奈墓地公園 | 30万 | 4,000円(年) | 規定金額 | 管理費3年分前納 |
寺院 | 專稱寺墓所 | 150万 | 12,000円 | 要相談 |
公営墓地が維持管理費が一番少ない
公営墓地の場合は、使用料は安くありませんが管理費は20年で5万円の前納で格安でした。
「どうしてもお墓に入りたい!」というのであれば、
子孫としては公営墓地に入って欲しいところです。
民営墓地の場合は使用料は安いものの管理費が毎年かかり、
法事法要の際は規定の価格を支払う必要があるようです。
また、寺院は使用料も管理料も高額で、とてもとても払い続けられる金額ではありません。
お墓を立てて20年維持するには、約200万必要!
一番安い公営墓地で20年、お墓を立てて維持するとします。
その金額は最低でも約200万かかることになります。
墓石工事費100万 + 使用料 80万 +管理費 5万 =185万円
20年で200万ですから、1年に10万かかる計算です。
年に1~2度のお墓参りに来てくれれば良いほうでしょう。
そんなもののために年に10万も支払うなんて、バカらしいし、
お墓を立てる方のただの自己満足でしかありません。
親を思い出して手を合わせたくなる気持ちっていうのは、
生前の親子関係によるもので、お墓のあるなしではないと思うのです。
(こんなこというと、またヒステリー起こされますが。笑)
結局、共同納骨という形を選んでくれました。
しかし、母は友達からこう言われたのをキッカケに
考え方を180度変えてくれました。
「あんたとこは娘が2人やのにお墓は誰が管理するの?
しかも、ゼニー簿ちゃんは(当時)東北に住んでるし、
◯◯ちゃん(妹)の旦那さんも転勤するかもしれんていうてたやん。
お墓なんて買わんと、一緒に一心寺さんに納骨してもらおうや。」
娘から言われると反発してしまう内容でも、
友達から言われると「なるほど」と納得したようで、
お寺の共同納骨で永代供養という方法を選択してくれました。
納められた遺骨を10年分をひとまとめにしてお骨佛(遺骨で造られる阿弥陀如来像)を
つくってお寺に立ててくれる。納骨代は骨の大きさによって違うが、うちは2万円だった。
いつでも自由にお参りが可能。(永代供養も可能)
共同納骨を選択した母に感謝する3つのこと
母が亡くなって4年経ちましたが、お墓を立てずに
共同納骨という形を選択してくれたことに本当に感謝しています。
利便性が良い
駅からの利便性がよくて車がなくてもアクセス可能なお寺なのでとても助かります。
都会に位置しているので、妹家族や父とお墓参りの後に
ご飯によることも楽しみになっています。
もし、別の地域に住んでいても、大阪に来た際にはついでに立ち寄れるぐらいの
利便性は本当にありがたいです。
維持管理費用が不要
お墓の掃除も必要なく、維持管理費も納骨の際に「永代供養代(10万)」を支払っておけば
33年間、年忌の案内がハガキで届くシステムです。
期間内にハガキを持参すればお経を上げてもらえるし(追加料金無し)
参拝できない場合は一心寺の僧侶がゼニー簿の代わりに供養してくれるので
明日ゼニー簿が死んでも安心。
33年間も供養してもらえれば、母も納得でしょう。
墓守が不要
納骨なら、お墓を守っていく子供や子孫が不要です。
ゼニー簿が死んで、孫達がお参りに行かなくても、
お墓が荒れることはないし、管理費が滞納していくこともない。
精神的に「墓守」という立場から開放されるのです。
これは、子供にとって大きなメリットです。
また、一心寺自体には毎日のように大勢の参拝の人達が訪れてくれるので
母も寂しくないでしょう。
お墓を立てる時は、子供の事も考えて!
母がお墓を立てずに、共同納骨という最後を選択してくれたことで
娘二人の負担は大きく減ったと思います。
まだ父は元気ですが、父も同じところで納骨して欲しいと言っていますので
うちはお墓という子供にとって「負の遺産」は残りません。
墓守を外部委託する現実を見よ!
ちょっと話がそれてしまうかもしれませんが、
うちの会社では社長親族の「墓参り」が業務化されています。
会社の近くに墓を立てても、結局その親族である息子も孫も
面倒くさがって墓参りに行くのを嫌がり、
「墓参り」というものを業務化して、社員にやらせています。
たぶん、墓を立てた本人は親族に頻繁に参ってほしかったのだと思いますが、
実際は「墓参りなんて、面倒なこと」でしかないのです。
でも、墓守として後ろめたさがあるから、業務化して墓の掃除と管理を
赤の他人である社員にやらせるわけです。
社員だって身内の墓じゃないから、
業務の一環として淡々と最低限のことをして帰るだけ。
そこには、感謝とか、思い出とか、供養とかは存在しません。
どっちかというと「お前の息子最低やな」みたいな気持ちでやってます。(苦笑
お金がある分にはこうして外部委託(?)できるからいいのですが、
普通の人がこれから墓を立てれば、
「管理されずに墓が荒れる」か、「子供の精神的負担になる」かのどちらかです。
自分が死んだ後まで子供に世話をかけないように、
お墓がほんとうに必要なのかを考えて欲しいと思います。
もちろん、「ゼニー簿が死んだら骨は山に散骨してくれ」と
子どもには伝えています。
これで永代供養代も浮きますね。(笑